リファレンス(データベース系コマンド編)
Edaxのコマンドについて、ヘルプの説明だけではよくわからないものもあるので、仕様を整理してみました。コマンドにもいろいろな種類がありますが、今回はデータベース系のコマンドについて整理しました。それ以外のものについては下記リンクを参照ください(リンク切れのものは未作成です)
- データベース系コマンド(本ページ)
データベースファイルの形式は拡張子.txt
,.ggf
,.sgf
,.pgn
,.wtb
,.edx
に対応しており、拡張子で判断しています。詳細はファイルフォーマットについてを参照してください。
リファレンス
convert
書式
base convert 変換元データベースファイル名 変換先データベースファイル名
データベースファイルの形式を変換します。変換前後のフォーマットはデータベースファイル名に指定したファイル名の拡張子で判断されます。
変換先データベースファイルが既に存在する場合は、追記されるようです。
実行例
base convert WTH_2017.wtb WTH_2017.txt
problem
書式
base problem 入力データベースファイル名 空きマス数 出力ファイル名
入力データベースファイルに登録されている各棋譜について、残りのマス数が「空きマス数」に指定された状態になった盤面を、出力ファイル名に指定したファイルに出力します。
出力されるファイルは、1行あたり1盤面で、入力ファイルの棋譜数分、改行区切りで盤面が出力されます。各行は
盤面情報 手番
の形式で、「盤面情報」はA1,A2,…,H8の順番に64文字分が黒石=X
、白石=O
、空きマス=-
で出力されます。「手番」はそのときの手番の1文字がX
またはO
で出力されます。(拡張子によらず、この形式で出力されます)
実行例
base problem WTH_2017.wtb 6 problem.txt
出力例(1行分)
OOOOOOOXXOOOXOXXXOOXOXOXOOOOOXOX-XOOOOXX--XOOXOX--XXOOOX--OXXOOX O
tofen[隠しコマンド]
書式
base tofen 入力データベースファイル名 空きマス数 出力ファイル名
入力データベースファイルに登録されている各棋譜について、残りのマス数が「空きマス数」に指定された状態になった盤面を、出力ファイル名に指定したファイルに出力します。
出力されるファイルは、1行あたり1盤面で、入力ファイルの棋譜数分、改行区切りで盤面が出力されます。各行は
盤面情報 手番 - - 0 1
の形式で出力されます。「盤面情報」は8行目〜1行目の順序で/
区切りで出力され、各行は黒石=p
、白石=P
、空きマスについては連続する空きマス数がその数字で表現されます。「手番」はそのときの手番の1文字がb
(黒石)またはw
(白石)で出力されます。(拡張子によらず、この形式で出力されます)
実行例
base tofen WTH_2017.wtb 6 problem.txt
出力例(1行分)
2PppPPp/2ppPPPp/2pPPpPp/PPPPPPpp/PPPPPpPp/pPPpPpPp/pPPPpPpp/PPPPPPPp b - - 0 1
correct
書式
base correct データベースファイル名 空きマス数
空きマス数は省略可能で、初期値は24です。
実行例
base correct WTH_2017.txt 10
check
書式
base check データベースファイル名 空きマス数
データベースファイルに登録されている各棋譜について、残りのマス数が「空きマス数」に指定された状態になった以降の手について、最善手ではない手が含まれている棋譜をチェックします。最善手ではない手の数が出力されます。
空きマス数は省略可能で、初期値は24です。
実行例
base check WTH_2017.txt 10
出力例(1行分)
F5D6C5F4E3C4E6C6D3F3B3E2G4E7F6H4F7D7E8G6G5C2B4C7H5D8F8H6B6G8D1A6D2C1G3B5C3A5F1E1H3G1B2A4G7F2A2H2B8A3A1B1C8A8B7H7A7H8H1G2 Game #0 contains 3 errors
complete
書式
base complete データベースファイル名
データベースファイルに登録されている各棋譜について、最終局面までの棋譜かどうかをチェックします。途中状態の棋譜の場合は、最善手で残りを補って上書き保存します。
実行例
base complete WTH_2017.txt
unique
書式
base unique 入力データベースファイル名 出力データベースファイル名
入力データベースファイルに登録されている棋譜について、重複がないかをチェックし、重複した棋譜を取り除いたものを出力データベースファイルに出力します。重複しているかどうかは、同一の進行であり、かつ記録されている対局日時・対局者が同一かどうかでチェックされています。
出力データベースファイルが既に存在している場合は、追記されます。
実行例
base unique WTH_2017.txt WTH_2017_2.txt
compare[隠しコマンド]
書式
base compare データベースファイル名1 データベースファイル名2
指定された2つのデータベースファイルに登録されている全棋譜の全局面について、それぞれのデータベースファイルごとの局面数と、共通の局面数を表示します。
実行例
base compare WTH_2015.wtb WTH_2016.wtb
出力例
WTH_2015.wtb : 92329 positions - 88934 original positions WTH_2016.wtb : 96512 positions - 93117 original positions 3395 common positions
ファイルフォーマットについて
ファイルフォーマットについて調査した範囲でメモ書きしておきます。主に情報が掲載されているサイトへのリンク集です。
txt
以下のような形で、試合毎の棋譜を改行区切りで並べたテキストファイルです。
F5F6E6F4E3D6C4E2F7C6D7E7G5G6H6F8D8C8E8C5F3G3F2G4C7H5D3H7F1D1D2G7H4H3H8G8H2C2G2C1C3E1B2A1B1B3B5G1A2A4A3B4H1A5A6B6B7A7A8B8 F5D6C3D3C4F4F6F3E6E7D7G6D8C5C6C7C8B4E3E2D2F2B3B5C2D1G5H6G4G3F1C1H3F7G8F8E8H4E1G1A3A5B6G7G2A4A6A7B7A2B2A1B1H2H1B8A8H7H8H5
ggf
Generic Game Formatと呼ばれるファイル形式で、GGS(General Game Server)で使用されている形式のようです。
sgf
Smart Game Formatと呼ばれるファイル形式で、オセロだけでなく囲碁や将棋の棋譜も記録できるファイル形式のようです。
pgn
Portable Game Notationと呼ばれるファイル形式で、主としてチェスで使用されているようです。
wtb
ThorあるいはWthorと呼ばれているデータベースの棋譜ファイル形式です。
edx
Edaxで使用されている独自のファイル形式で、メモリ上に管理されている試合情報をバイナリで出力したファイルです。